一昨日に続き、ハワード・マークス著”市場サイクルを極める”の書評をお届けする。
前回と同じく、成功のサイクルについて紹介する。
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例によって、書籍からの引用箇所は・「」で囲み、→は個人的な気付きを記した。
<第十六章:成功のサイクル>
この章で引用したいセンテンスは3つ。
・「ここで得られる重要な教訓は、類いまれな収益性を生み出すものはみな、追加的な資金流入をもたらし、やがて人気過多になって定番化すると、リスク調整後リターンの期待値が平均へと近づいていく」
→仮に保有する株式が、順調に株価を伸ばし上昇基調にあっても、それが永遠に続くことがないのは、上記メッセージからわかる。それを意識しつつ、どのタイミングで利益確定するか難しいがやり遂げなければいけない。
・「結論は明快だ。永遠に機能する手法など存在しない。(中略)私に言わせれば「投資においては、重要なことはすべて直感に反しているのであり、明白なことはすべて間違っている」ので
→先の引用センテンスでもあった居心地の悪さに慣れるは、ここで言う直感に反しているに近いニュアンスがある。投資判断の際に、直感的・分かりやすいを理由に判断すべきでないということだろう。
・「ヘンリー・フィリップス(19世紀にカーネギー・スティールを大企業に育てた人物)は、歴史がこうした傾向を明らかに示している点を指摘した。ここで重要な疑問は、良い時期がさらに良いことをもたらすとは限らない、つまり成功は実は周期的にしか訪れない可能性がある、ということに気づけるほどに、我々は明敏かつ冷静にいられるだろうか、というものだ。
→ここで取り上げられている「成功は実は周期的にしか訪れない可能性がある」にドキッとした。周期的ということは、投資にタイミングが大事であると言え、ではそれがいつなのか含めて、冷静な見通しで臨めるにありたい。