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(書評) 市場サイクルを極める ハワード・マークス著 Part4

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一昨日に続き、ハワード・マークス著”市場サイクルを極める”の書評をお届けする。

今回は、企業利益サイクルと投資家心理の振り子について、順を追って紹介する。

 

・書評記事1回目

www.investor-2018.com

 ・書評記事2回目

www.investor-2018.com

・書評記事3回目
www.investor-2018.com

 

また例によって、書籍からの引用箇所は・「」で囲み、→は個人的な気付きを記した。

 

<第六章:企業利益サイクル>
この章で引用したいセンテンスは1つ。
・「企業の利益を決定づけるプロセスは複雑で多くの変数に左右される。売上高が景気サイクルに等しく左右される企業もあれば、受けない企業もある。主として営業レバレッジと財務レバレッジの違いにより、売上高が同じ割合で変化したとしても、利益の影響が他社より大きく現れる企業がある。」
 →企業各々のコスト構造、レバレッジと利益への影響を投資実行前に把握することで、景気サイクルの影響もイメージしやすくなる。

 

<第七章:投資家心理の振り子>
この章で引用したいセンテンスは4つ。
・「私が興味深いと感じたのは、これら9種類の振り子の振動に強い相関関係が見られる点だ。市場でしばらく力強い上昇が続くと、先に示した要素(*1)のほうへ動く。逆に下落が続くと、あとに示した要素(*2)のほうへ振れる」
*1 陶酔感、好材料への歓喜、過大評価、強欲、楽観主義、リスク許容、軽信、将来価値への期待、焦り買い
*2 沈滞感、悪材料への脅迫観念、過小評価、恐怖、悲観主義、リスク回避、懐疑主義、目に見える価値へのこだわり、パニック売り
 →これは著者ハワード・マークスが2007年7月16日の顧客向けレター「すべて順調」で取り上げた内容だが、振り子をイメージしながら、今どの位置に振り子がいるのか、そしてどの要素の影響を受けるのか、注意深く見ていきたい。
なぜなら前者と後者の要素が混ざった形で現れるケースはほとんどないからだ。

 

・「1970年から2016年の47年間にS&P500株価指数の年間騰落率が平均水準からプラスマイナス2%(8~12%)に収まった年はたった3回だと知って驚いた。さらに意外だったのがプラスマイナス20%超(▲10%以上もしくは+30%以上)の年が13回もあった。絶対的な確信をもって言えるのは、平均は標準的状況ではないということだ。」
 →過去の騰落率から気づくことは、ここ数年はボラティリティが安定的な水準に留まっていたが、過去の振れ幅を見るとむしろボラティリティがあることが一般的であり、その前提で相場と向き合うべきだろう。

 

・「私の知り合いの中で、何が2000年のハイテク株バブル崩壊の原因となったのか、はっきりと説明できる人は一人もいない。だがとにかく強欲は消え去り、恐怖がそれに取って代わった。そして掛け声は、チャンスを逃す前に買えからゼロになる前に売れへと変わったのだ。こうして恐怖が優勢になると、人々はチャンスを逃すことでなく、カネを失うことを恐れるようになる。根拠なき熱狂は行き過ぎた警戒感に取って代わられる。」
 →人々の行動はチャンスに向かう行動より、恐怖で逃げ出す方がはるかに早いと感じる。そうであれば、マーケットのサイクルが恐怖で逃げ出すのが一段落するのを暫く待ち、株式にロングするのが安心できる投資手法と感じた。

 

・「すぐれた投資家は恐怖と強欲の間で巧みにバランスをとる。(中略)ほとんどの投資家は、楽観的なときに強欲になり、悲観的なときに恐怖心を抱くというように揺れ動く。こうした揺れは、ふさわしくないタイミングで起こる。つまり、良い出来事の影響で価格がすでに高い水準まで上がってしまったから強欲になったり、悪い出来事のせいで価格がすでに落ち込んでいるのに恐怖心を抱いたりする。」
 →ここで言うほとんどの投資家に当てはまる行動を、これまでしてしまっていたので恐怖と強欲のバランスをもっとうまくとれるようになりたい。