定点観測している東証発表の投資部門別取引状況について、2021年5月10日の週のデータを確認する。同期間の日本の株価指標に加え、米国・中国の株価指標もウオッチ。
統計データは毎週第4営業日の午後3時に日本取引所HPで更新され、市場への影響が大きい投資家グループの動向を理解し、投資活動に役立てたい。
5月10日の週は、日経平均株価が5月10日始値の29,376円から5月7日終値の28,084円と1292円下落し、TOPIXが5月10日始値の1936ポイントから5月14日終値の1883ポイントと53ポイント下落。
また海外(米国・中国)の株価指標に目を向けると、NASDAQは5月10日始値の13687ポイントから5月14日終値の13429ポイントと258ポイント下落し、上海総合指数は5月10日始値の3423ポイントから5月14日終値の3490ポイントと67ポイント下落。
現物株の投資部門別取引状況は、外国人投資家は4,214億円の2週ぶりの売り越し。
一方、個人投資家は4,452億円の2週ぶりの買い越し。GPIF(年金積立金管理運用) など年金基金の動きを表すと言われる信託銀行は423億円の5週連続の買い越し。
また現物株と先物合計の売買状況は外国人投資家は1兆1,177億円の2週ぶりの売り越し。一方、個人投資家は5,431億円の2週ぶりの買い越し、信託銀行は283億円の2週連続の買い越し。
5月10日の週は、米国のインフレ懸念や長期金利上昇を受けて市場で売りが膨らみ、日経平均は前週末比で2週ぶりに急反落した。海外投資家が3週ぶりに売り越した。
来週以降も投資家動向や資金の動きをウオッチする。
なお、下表グラフは現物株の売買状況を表し、横軸が各週を示し、5月第2週目が5月10日の週の売買状況を表す。グラフの見方は、上向きバーが買いをした投資主体、下向きバーが売りをした投資主体で、青色が個人投資家、赤色が証券会社、ピンク色が外国人投資家。