定点観測している東証発表の投資部門別取引状況について、2020年10月5日の週のデータを確認する。同期間の日本の株価指標に加え、米国・中国の株価指標もウオッチ。
統計データは毎週第4営業日の午後3時に日本取引所HPで更新され、市場への影響が大きい投資家グループの動向を理解し、投資活動に役立てたい。
10月5日の週は、日経平均株価が10月5日始値の23,254円から10月9日終値の23,619円と365円上昇し、TOPIXも10月5日始値の1626ポイントから10月9日終値の1647ポイントと21ポイント下上昇。
また海外(米国・中国)の株価指標に目を向けると、NASDAQは10月5日始値の11169ポイントから10月9日終値の11579ポイントと410ポイント上昇し、上海総合指数は国慶節明けで1営業日だけ市場がオープンし、10月9日始値の3262ポイントから10月9日終値の3272ポイントで終了。
現物株の投資部門別取引状況は、外国人投資家は4,170億円の5週ぶりの買い越し。一方、個人投資家は2,576億円の2週ぶりの売り越し。GPIF(年金積立金管理運用) など年金基金の動きを表すと言われる信託銀行は181億円の3週連続の売り越し。
また現物株と先物合計の売買状況は外国人投資家は5,844億円の6週ぶりの買い越し。一方、個人投資家は5,087億円の2週の売り越し、信託銀行は173億円の2週ぶりの買い越し。
10月5日の週は、トランプ米大統領の早期退院でリスク選好が醸成され、日経平均株価が前週末比で4週ぶりに大幅上昇し、2万3619円になった。
外国人投資家は売り越す一方、個人投資家は買い越した。来週以降も投資家動向や資金の動きをウオッチする。
なお、下表グラフは現物株の売買状況を表し、横軸が各週を示し、10月第1週目が10月5日の週の売買状況を表す。グラフの見方は、上向きバーが買いをした投資主体、下向きバーが売りをした投資主体で、青色が個人投資家、赤色が証券会社、ピンク色が外国人投資家。