定点観測している東証発表の投資部門別取引状況について、2020年8月10日の週のデータを確認する。同期間の日本の株価指標に加え、米国・中国の株価指標もウオッチ。
統計データは毎週第4営業日の午後3時に日本取引所HPで更新され、市場への影響が大きい投資家グループの動向を理解し、投資活動に役立てたい。
8月10日の週は、日経平均株価が8月11日始値の22,505円から8月14日終値の23,289円と784円上昇し、TOPIXも8月11日始値の1561ポイントから8月14日終値の1623ポイントと62ポイント上昇。
また海外(米国・中国)の株価指標に目を向けると、NASDAQは8月10日始値の11033ポイントから8月14日終値の11019ポイントと14ポイント下落し、上海総合指数は8月10日始値の3341ポイントから8月14日終値の3360ポイントと19ポイント上昇。
現物株の投資部門別取引状況は、外国人投資家は3,663億円の2週連続の買い越し。一方、個人投資家は5,185億円の2週連続の売り越し。GPIF(年金積立金管理運用) など年金基金の動きを表すと言われる信託銀行は522億円の2週ぶりの売り越し。
また現物株と先物合計の売買状況は外国人投資家は9,899億円の2週連続の買い越し。一方、個人投資家は6,098億円の2週連続の売り越し、信託銀行は746億円の2週ぶりの売り越し。
8月10日の週は、米株高と円安進行で上値追いが続き、日経平均株価は2週連続で大幅上昇し、2万3000円大台に乗り、約半年ぶりの高値になった。
海外投資家が現物・先物合算で9899億円と巨額に買い越す一方、個人投資家の利益確定が続いた。来週以降も投資家動向や資金の動きをウオッチする。
なお、下表グラフは現物株の売買状況を表し、横軸が各週を示し、8月第2週目が8月10日の週の売買状況を表す。グラフの見方は、上向きバーが買いをした投資主体、下向きバーが売りをした投資主体で、青色が個人投資家、赤色が証券会社、ピンク色が外国人投資家。