定点観測している東証発表の投資部門別取引状況について、2021年3月8日の週のデータを確認する。同期間の日本の株価指標に加え、米国・中国の株価指標もウオッチ。
統計データは毎週第4営業日の午後3時に日本取引所HPで更新され、市場への影響が大きい投資家グループの動向を理解し、投資活動に役立てたい。
3月8日の週は、日経平均株価が3月8日始値の29,208円から3月12日終値の29,717円と509円上昇し、TOPIXも3月8日始値の1916ポイントから3月12日終値の1951ポイントと25ポイント上昇。
また海外(米国・中国)の株価指標に目を向けると、NASDAQは3月8日始値の12904ポイントから3月12日終値の13319ポイントと415ポイント上昇し、上海総合指数は3月8日始値の3524ポイントから3月12日終値の3453ポイントと69ポイント下落。
現物株の投資部門別取引状況は、外国人投資家は2週連続の3,008億円の買い越し。
一方、個人投資家は3,048億円の3週ぶりの売り越し。GPIF(年金積立金管理運用) など年金基金の動きを表すと言われる信託銀行は2,721億円の9週連続の売り越し。
また現物株と先物合計の売買状況は外国人投資家は1,949億円の4週ぶりの買い越し。一方、個人投資家は3,017億円の2週連続の売り越し、信託銀行は529億円の2週連続の買い越し。
3月8日の週は、米国で追加経済対策法の成立が追い風となり、日経平均株価が前週末比で3週ぶりに急反発した。海外投資家は現物株では2週連続、現物株と先物合計では4週ぶりに買い越した。
来週以降も投資家動向や資金の動きをウオッチする。
なお、下表グラフは現物株の売買状況を表し、横軸が各週を示し、3月第2週目が3月8日の週の売買状況を表す。グラフの見方は、上向きバーが買いをした投資主体、下向きバーが売りをした投資主体で、青色が個人投資家、赤色が証券会社、ピンク色が外国人投資家。