定点観測している東証発表の投資部門別取引状況について、2021年3月1日の週のデータを確認する。同期間の日本の株価指標に加え、米国・中国の株価指標もウオッチ。
統計データは毎週第4営業日の午後3時に日本取引所HPで更新され、市場への影響が大きい投資家グループの動向を理解し、投資活動に役立てたい。
3月1日の週は、日経平均株価が3月1日始値の29,419円から3月5日終値の28,864円と555円下落し、TOPIXも3月1日始値の1888ポイントから3月5日終値の1896ポイントと8ポイント上昇。
また海外(米国・中国)の株価指標に目を向けると、NASDAQは3月1日始値の13406ポイントから3月5日終値の12920ポイントと486ポイント下落し、上海総合指数は3月1日始値の3531ポイントから3月5日終値の3501ポイントと20ポイント下落。
現物株の投資部門別取引状況は、外国人投資家は2週ぶりの417億円の買い越し。
一方、個人投資家は720億円の2週連続の買い越し。GPIF(年金積立金管理運用) など年金基金の動きを表すと言われる信託銀行は4,523億円の8週連続の売り越し。
また現物株と先物合計の売買状況は外国人投資家は2,646億円の3週連続の売り越し。一方、個人投資家は138億円の2週ぶりの売り越し、信託銀行は511億円の2週ぶりの買い越し。
3月1日の週は、米国長期金利を巡り、株価は乱高下し、日経平均は前週末で続落した。
年金基金の売買動向を映すとされる信託銀行が8週連続で売り越し、GPIF(年金積立金管理運用独立行政法人)が年度末に近づき、株価高値圏もあり、利益確定に動いたようだ。
来週以降も投資家動向や資金の動きをウオッチする。
なお、下表グラフは現物株の売買状況を表し、横軸が各週を示し、3月第1週目が3月1日の週の売買状況を表す。グラフの見方は、上向きバーが買いをした投資主体、下向きバーが売りをした投資主体で、青色が個人投資家、赤色が証券会社、ピンク色が外国人投資家。