定点観測している東証発表の投資部門別取引状況について、2020年6月8日の週のデータを確認する。同期間の日本の株価指標に加え、米国・中国の株価指標もウオッチ。
統計データは毎週第4営業日の午後3時に日本取引所HPで更新され、市場への影響が大きい投資家グループの動向を理解し、投資活動に役立てたい。
6月8日の週は、日経平均株価が6月8日始値の23,121円から6月12日終値の22,305円と816円下落し、TOPIXも6月8日始値の1628ポイントから6月12日終値の1570ポイントと58ポイント下落。
また海外(米国・中国)の株価指標に目を向けると、NASDAQは6月8日始値の9823ポイントから6月12日終値の9588ポイントと235ポイント下落し、上海総合指数は6月8日始値の2941ポイントから6月12日終値の2919ポイントと22ポイント下落。
現物株の投資部門別取引状況は、外国人投資家は2,847億円の2週ぶりの売り越し。
一方、個人投資家は948億円の4週ぶりの買い越し。GPIF(年金積立金管理運用) など年金基金の動きを表すと言われる信託銀行は745億円の5週ぶりの買い越し。
また現物株と先物合計の売買状況は、外国人投資家が2,321億円の4週ぶりの売り越し、一方、個人投資家は1,011億円の4週ぶりの買い越し、信託銀行は847億円の4週連続の買い越し。
6月8日の週は、FOMCによるゼロ金利政策の長期維持方針で米景気の先行き不透明感が強まりNYダウが急落したことを受け株価は反落した。来週以降も外国人投資家動向を中心に資金の動きをウオッチする。
なお、下表グラフは現物株の売買状況を表し、横軸が各週を示し、6月第2週目が6月8日の週の売買状況を表す。グラフの見方は、上向きバーが買いをした投資主体、下向きバーが売りをした投資主体で、青色が個人投資家、赤色が証券会社、ピンク色が外国人投資家。