Motleyの記事"Better Buy: PayPal Holdings, Inc. vs. Mastercard"で、デジタル決済大手2社が取り上げられており、概要を紹介する。
2020年までに世界中の人々が7260億回のデジタル決済をするという予想が、BNP ParibasとCapgeminiから出ている。毎日より多くのデジタル決済をするようになっているが、世界中の取引の85%はまだ現金でされており、この巨大市場はこれから数十年続くだろう。
PayPal Holdings (ペイパル NASDAQ:PYPL)とMastercard(マスターカード NYSE:MA)は、このトレンドから収益をあげる良いポジションにあるが、今日投資するとしたらどちらがより良いか、3つの視点から見ていく。
1. 財務安定性
いくつかの鍵となる数値を両者で見比べてみると、収入はほぼ同じレベル)PayPal123億ドル、Mastercard119億ドル)になるが、Mastercardの方が収益性は65億ドルと、PayPalの17億ドルと比べて高い。クレジットカードの巨人は、営業利益54%、純利益39%、PayPalの営業利益14%、純利益13%より高い。一方、バランスシートでの現金・投資資金は両社とも70億ドルを上回るが、負債はMastercardが50億ドルある一方、PayPalはないので、財務的な強さは、PayPalに軍配が上がる。
2. 成長性
PayPalの売上と利益の成長性はここ数年Mastercardを上回っている。金融関係者は、このトレンドが続くと見ており、
PayPalは2018年に18%の売上増加を見込んでいる一方、Mastercardは13%弱。さらにアナリスト予想でPayPalの1株当たり利益は20%増加が、モバイルコマースでの成長も織り込んで、次の5年間続くと見ている。Mastercardは同期間18%弱である。売上と利益からPayPalに軍配が上がる。
3. 企業価値
PayPalとMastercardの株価収益率(PER)とPEG(※) を比較すると、いずれもMastercardの方が割安であるが、PEGは均衡。
PayPalの実績PER61.5 PEG2.06、Mastercardの実績PER37.1 PEG1.91。
※予想株価収益率を一利益成長率で割って算出し、1倍以下割安、2倍以上割高。
・総合判断
PayPalとMastercardは、どちらも素晴らしい形でデジタル決済から収益をあげているが、財務的優位性とより力強い成長見通しという理由から、PayPalが総合的には良い。