Motley Fool記事"Better Buy: Amazon.com, Inc. vs. Microsoft"でITの巨人Microsoft、Amazonへの投資機会を検討している。
検討結果は、配当を重視する投資家なら信頼できる現金配当が続くMicrosoftsに投資すべきだし、よりアグレッシブに成長を追い求める投資家ならAmazonを選ぶべき。いずれにしろこれらのトップ企業を選ぶことで、 この先数年は力強いリターンを得られるだろう。
(Microsoft (NASDAQ:MSFT)、Amazon.com (NASDAQ:AMZN) )
1. Moat/堀
MicrosoftのOSは過去半世紀にわたり、パソコン市場で独占的なポジションを占めたが、近年モバイルへの移行、AppleとGoogleの台頭により以前より力が弱まっている。一方、Amazonは消費者の心をつかみ、壮大なスケールをいかし、オンライン小売りの頂点に立っており他社を寄せ付けない状況。
MicrosoftとAmazonが直接競争しているのがクラウドコンピューティングである。ここでは、Amazonが35%のシェア、Microsoftが15%のシェアだが、成長スピードはMicrosoftの方が早いペース。
Microsoftの優位性はAmazonでないということで、小売りで競合するWalmartなどの顧客を獲得できていることだが、十分な優位性を確率できておらず、複数の高成長セグメントでAmazonが優位性を保っており、Amazonに軍配が上がる。
2. 財務指標
両社とも優れた企業だが、Amazonがいけてない訳ではないが、Microsoftのバランスシートは非常に強固である。それを示すのが、非金融企業で2社しかない主要な格付会社からAAAの評価を得ている。
財務状況はMicrosoftに軍配が上がる。
3. 成長性
過去10年以上にわたり、Amazonが売上とキャッシュフローの伸びで圧倒しており、それは当面続きそうだ。Amazonが次の5年で年平均50%の利益成長が見込まれるのに対し、Microsoftは10%であり、earnings per share (EPS)の成長ペースで見ても、AmazonはMicrosoftの5倍でAmazonに軍配が上がる。
4. バリエーション
両社の株価のバリエーションを比較すると、price-to-earnings (P/E)やprice-to-free-cash-flow (P/FCF)で、Amazonの目を見張る成長を勘案したとしてもMicrosoftがとても割安に見える。
PEG※を見ても、Microsoftが2.37でAmazonが4.65となっていて、Microsoftに軍配が上がる。
※PEG=株価収益率÷成長率。一般に1倍~2倍程度が標準的。1倍を下回ると割安、2倍を上回ると割高