定点観測している東証発表の投資部門別取引状況について、2020年3月16日の週のデータを確認する。同期間の日本の株価指標に加え、米国・中国の株価指標もウオッチ。
統計データは毎週第4営業日の午後3時に日本取引所HPで更新され、市場への影響が大きい投資家グループの動向を理解し、投資活動に役立てたい。
3月16日の週は、日経平均株価が3月16日始値の17,586円から3月19日終値の16,552円と1034円大幅下落し、TOPIXも3月16日始値の1268ポイントから3月19日終値の1283ポイントと15ポイント上昇。
また海外(米国・中国)の株価指標に目を向けると、NASDAQは3月16日始値の7392ポイントから3月20日終値の6879ポイントと513ポイント下落し、上海総合指数は3月16日始値の2897ポイントから3月20日終値の2745ポイントと152ポイント下落。
現物株の投資部門別取引状況は、外国人投資家は4,134億円の7週連続の売り越し、一方、個人投資家は2,424億円の6週連続の買い越し。またGPIF(年金積立金管理運用) など年金基金の動きを表すと言われる信託銀行は2,458億円の3週連続の買い越し。
また現物株と先物合計の売買状況は、外国人投資家が7,753億円の6週連続の売り越し、個人投資家は1,566億円の買い越し、信託銀行は3,389億円の2週ぶりの買い越し。
3月16日の週は、新型コロナウイルスの世界的な感染拡大で売りが止まらず売りが膨らみ、世界各国の株式市場が急落した。中長期の投資志向が多い個人投資家の現物買越額は6週合計で1兆3081億円に上り、相場急落を受け買い向かっていることが鮮明となる一方、海外投資家の高水準な売り越しは継続した。
来週以降も新型肺炎コロナウイルスの影響を、株式市場の外国人投資家動向と共にウオッチする。
なお、下表グラフは現物株の売買状況を表し、横軸が各週を示し、 3月第3週目が3月16日の週の売買状況を表す。グラフの見方は、上向きバーが買いをした投資主体、下向きバーが売りをした投資主体で、青色が個人投資家、赤色が証券会社、ピンク色が外国人投資家。