定点観測している東証発表の投資部門別取引状況について、2020年11月16日の週のデータを確認する。同期間の日本の株価指標に加え、米国・中国の株価指標もウオッチ。
統計データは毎週第4営業日の午後3時に日本取引所HPで更新され、市場への影響が大きい投資家グループの動向を理解し、投資活動に役立てたい。
11月16日の週は、日経平均株価が11月16日始値の25,652円から11月20日終値の25,527円と125円下落し、TOPIXも11月16日始値の1717ポイントから11月20日終値の1727ポイントと10ポイント上昇。
また海外(米国・中国)の株価指標に目を向けると、NASDAQは11月16日始値の11847ポイントから11月20日終値の11854ポイントと7ポイント上昇し、上海総合指数は11月16日始値の3325ポイントから11月20日終値の3377ポイントと52ポイント上昇。
現物株の投資部門別取引状況は、外国人投資家は3,331億円の3週連続の買い越し。一方、個人投資家は2,343億円の3週連続の売り越し。GPIF(年金積立金管理運用) など年金基金の動きを表すと言われる信託銀行は1,506億円の3週連続の売り越し。
また現物株と先物合計の売買状況は外国人投資家は5,971億円の3週連続の買い越し。一方、個人投資家は1,223億円の3週連続の売り越し、信託銀行は2,043億円の4週連続の買い越し。
11月16日の週は、新型コロナウイルスのワクチン開発が進んでいるとの米製薬大手の発表や世界経済回復を織り込む中、景気敏感株が多く、相対割安とされる日本株に注目が集まり、先週に続きリスクオンの流れが強まった。
外国人投資家は買い越す一方、個人投資家は売り越した。来週以降も投資家動向や資金の動きをウオッチする。
・関連する日本経済新聞の記事
海外勢、日本株買い膨らむ 米大統領選後に2.7兆円買い越し: 日本経済新聞 (nikkei.com)
なお、下表グラフは現物株の売買状況を表し、横軸が各週を示し、11月第3週目が11月16日の週の売買状況を表す。グラフの見方は、上向きバーが買いをした投資主体、下向きバーが売りをした投資主体で、青色が個人投資家、赤色が証券会社、ピンク色が外国人投資家。