本日、金融庁から2度目の業務改善命令を受けたコインチェック。
580億円相当の仮想通貨NEMが流出した件に関し、記者会見が行われた。
その中から気になったポイントを質疑応答から抜粋。
ちなみに会社のプレスリリースは下記ご参照。
・目次 (質疑応答の引用元は記事下部のリンク先)
1. 補償時期
2. 返金額
3. 流出の原因
4. 根本原因
5. 抜本的な対策
6. 事業の継続性
7. 財務状況
8. 取引規模、利用者数
1. 補償時期→来週中にアカウントに反映。
<以下引用>
記者3 時事通信のイシダと申しますけれども。NEMの補償についてなんですけれども、この来週中を目処に実施されるということと、あと先ほど大塚さんのほうからホームページに来週を目処に掲載とありましたが、アカウントに反映されるタイミングは、ある程度来週を目処というところに入っている理解でよろしいのか、まずお聞かせください。和田晃一良氏(以下、和田) 私のほうからお答えさせていただきます。基本的には来週中にアカウントに反映をすることを予定しております。
2. 返金額→466億円= 88.549×5億2,630万
<以下引用>
記者22 あと、ごめんなさい、数字の確認で、先ほどの返金額のところなんですけど、流出したNEMが最初の発表の時よりも少し増えて、5億2,360万10XEM。これに2月2日だったと思いますけれども、レートを御社として換算された1NEMの88.549円をかけた金額という理解でよろしいんですよね?大塚雄介氏(以下、大塚) 左様でございます。記者22 すいません。そうだと、たぶん466億円になると思うんですけど、いま手元で計算はされていないということですよね。大塚 私のほうの計算で463億円になって……。記者22 88.549×5億2,630万のかけた値という理解で?大塚 はい。
3. 流出の原因→複数の従業員のパソコンがマルウェアに感染
<以下引用>
記者2 日本経済新聞のヨシノと申します。何点かあるんですけれども。マルウェアに感染したのはいつでどのように、メールかなにかを使って感染したのか。そこらへんちょっと1つ教えてください。大塚 私のほうからご説明させていただきます。マルウェアに関しましては、当社の従業員に対して、メールのようなかたちで送られてくるかたちになりまして、そちらのほうからちょっと感染のほうを受けたかたちになっております。ちょっと詳しい内容に関しては、捜査状況も含まれてしまいますので、なかなか詳しいところまでお伝えできないんですけれども。
4. 根本原因→急激に仮想通貨の価格が高騰し、急増したのに対応できず。
<以下引用>
記者8 産経新聞のソワタニと言います。先ほど、「業務拡大に体制が追い付かない」という話のくだりがあったと思うんですけれども、その時に「人員の採用がうまくいかなくてこういった事案を引き起こした」ということだったんですが。その際に、「業務のほうを控えることで人員に見合ったかたちにする」という選択を取ることはできなかったんですか。(和田氏と大塚氏、約20秒間の沈黙)
大塚 私のほうからご説明させていただきます。業務のほうを縮小して、ということですが、価格全体がボリュームが上がってきてしまったことによって、お客様全体(の総数)が増えてしまったと。そういうかたちになりますので、絞ろうにも絞れなかった、というのが実態でございます。
記者8 それは例えば、その取引を一旦完全に停止して……。要はホットウォレットでしか管理していない状況は、当然わかっていたわけですよね。それはやっぱり危険な状態だからというので、「しばらくNEMの取引は中止させていただきます、安全性が確認されたら再開します」ということもできたような気はするんですけれども。そのへんというのはできないんですか。大塚 その時点でお客様が資産を持っていたというかたちもありますので、なかなかそのような判断に至れなかった、ということもございます。
5. 抜本的な対策→経営体制の見直しを現経営陣の辞任も可能性あり。
<以下引用>
記者4 あと、今日金融庁から出された業務改善命令の中の①で「経営体制の抜本的な見直し」とあります。普通に読めばもう経営陣を変えろと言っているようにも見えるんですけれども、現時点でお2人は辞任される意思というのはあるのでしょうか?和田 こちらについては、内容の詳細が確定次第、ご報告させていただければと思います。記者4 辞任することも視野に? ……検討はされるということですかね?和田 そこも含めて検討はしております
6. 事業の継続性継続を前提としている。
<以下引用>
記者21 ありがとうございます。「ダイヤモンド」のスズキといいます。今の話と、あと先ほど質問のあった事業の継続性に絡めてうかがいたいのですが。顧客の資産を分別管理しているから出金が相次いでも問題ないというのはわかるんですけれども、今のお話からすると、スプレッドで稼いでいるというところで、取引する人がいなくなってくれば当然収益源が減ってきて。事業の継続性はたして大丈夫かという話にもなってくるのではないかなと思うんですけれども、そのあたりはどのように現時点でお考えになっているのか教えてください。大塚 私のほうでお答えさせていただきます。もちろんお客様がいなくなってしまいましたらば、事業というのは継続することはもちろん難しいと思いますので、お客様に継続して使っていただけるように、これは普通の企業の努力としてやらせていただくようなかたちになっております
7. 財務状況→公開するつもりはない。
<以下引用>
記者23 日経新聞のソカベと申します。2点ございます。まず1点目が、先ほど来2度ほど質問が出ていてお答えいただいていないことだと思うんですけれども、御社の財務状況に関しては、開示されるおつもりというのはないのでしょうか?
和田) 財務状況については、現在のところは開示の予定はございません。ただ、NEMの補償にかかる資産については有しております。
8. 取引規模、利用者数→17年11月の取引金額は2兆5,268億、170万人
<以下引用>
記者25 業容の拡大ということで、利用者数がどれだけ増えたですとか、取り扱いの規模がどれだけ増えたですとかっていうのが教えていただければ、と思うんですけれども。大塚 はい。私のほうからご説明させていただきます。我々のほうで……業容の拡大、2017年の7月からですね。取引高に関しますと、7月時点で2,868億。で、8月が6,512億。9月が7,619億。10月が、1兆282億。11月が、2兆5,268億。12月が、3兆8,537億。というかたちで、急激な高騰をしたかたちになります。ユーザー数全体に関してましては、トータルではあるんですが、累計で170万口座ございます。
<引元用> 記者会見 書き起こし