定点観測している東証発表の投資部門別取引状況について、2021年10月11日の週のデータを確認する。同期間の日本の株価指標に加え、米国・中国の株価指標もウオッチ。
統計データは毎週第4営業日の午後3時に日本取引所HPで更新され、市場への影響が大きい投資家グループの動向を理解し、投資活動に役立てたい。
10月11日の週は、日経平均株価が10月11日始値の27,977円から10月15日終値の29,068円と191円上昇し、TOPIXが10月11日始値の1963ポイントから10月15日終値の2023ポイントと60ポイント上昇。
また海外(米国・中国)の株価指標に目を向けると、NASDAQは10月11日始値の14540ポイントから10月15日終値の14897ポイントと106ポイント上昇し、上海総合指数は国慶節で休場しており、10月11日始値の3600ポイントから10月15日終値の3572ポイントと28ポイント下落。
現物株の投資部門別取引状況は、外国人投資家は4,788億円の2週連続の買い越し。
一方、個人投資家は1,605億円の3週ぶりの売り越し。GPIF(年金積立金管理運用) など年金基金の動きを表すと言われる信託銀行は2,569億円の7週連続の売り越し。
また現物株と先物合計の売買状況は外国人投資家は3,367億円の2週連続の買い越した一方、個人投資家は2,160億円の2週ぶりの売り越し、信託銀行は2,633億円の2週ぶりの買い越し。
10月11日の週は、インフレ懸念後退と、円安進行で買い戻しが膨らみ、日経平均は前週末比で4週ぶりに大幅反発した。来週以降も投資家動向や資金の動きをウオッチする。
なお、下表グラフは現物株の売買状況を表し、横軸が各週を示し、10月第2週目が10月11日の週の売買状況を表す。グラフの見方は、上向きバーが買いをした投資主体、下向きバーが売りをした投資主体で、青色が個人投資家、赤色が証券会社、ピンク色が外国人投資家。