定点観測している東証発表の投資部門別取引状況について、2021年5月24日の週のデータを確認する。同期間の日本の株価指標に加え、米国・中国の株価指標もウオッチ。
統計データは毎週第4営業日の午後3時に日本取引所HPで更新され、市場への影響が大きい投資家グループの動向を理解し、投資活動に役立てたい。
5月24日の週は、日経平均株価が5月24日始値の28,212円から5月28日終値の29,149円と7円上昇し、TOPIXが5月24日始値の1903ポイントから5月28日終値の1947ポイントと44ポイント上昇。
また海外(米国・中国)の株価指標に目を向けると、NASDAQは5月24日始値の13557ポイントから5月28日終値の13748ポイントと191ポイント上昇し、上海総合指数は5月24日始値の3486ポイントから5月21日終値の3600ポイントと114ポイント上昇。
現物株の投資部門別取引状況は、外国人投資家は3,738億円の3週ぶりの買い越し。
一方、個人投資家は3,358億円の2週連続の売り越し。GPIF(年金積立金管理運用) など年金基金の動きを表すと言われる信託銀行は283億円の7週ぶりの売り越し。
また現物株と先物合計の売買状況は外国人投資家は5,560億円の2週ぶりの買い越し。一方、個人投資家は4,411億円の2週連続の売り越し、信託銀行は180億円の4週ぶりの売り越し。
5月24日の週は、MSCIに絡む指数イベントが明けた週末に買いが膨らみ、日経平均は
前週末比で大幅続伸し2万9000円台を回復した。海外投資家が3週ぶりに買い越した。
日経平均は米国の景気回復期待から緩やかなリバウンドだったが、27日のMSCIリバランスを終えて需給不安が後退。28日に日経平均が600円超える大幅上昇となったのは、先物主導による先回り的な動きではなく、MSCIリバランス通過による需給調整。
来週以降も投資家動向や資金の動きをウオッチする。
なお、下表グラフは現物株の売買状況を表し、横軸が各週を示し、5月第4週目が5月24日の週の売買状況を表す。グラフの見方は、上向きバーが買いをした投資主体、下向きバーが売りをした投資主体で、青色が個人投資家、赤色が証券会社、ピンク色が外国人投資家。