定点観測している東証発表の投資部門別取引状況について、2020年6月29日の週のデータを確認する。同期間の日本の株価指標に加え、米国・中国の株価指標もウオッチ。
統計データは毎週第4営業日の午後3時に日本取引所HPで更新され、市場への影響が大きい投資家グループの動向を理解し、投資活動に役立てたい。
6月29日の週は、日経平均株価が6月29日始値の22,255円から7月3日終値の22,306円と51円上昇し、TOPIXも6月29日始値の1560ポイントから7月3日終値の1552ポイントと8ポイント下落。
また海外(米国・中国)の株価指標に目を向けると、NASDAQは6月29日始値の9771ポイントから7月2日終値の10207ポイントと436ポイント上昇し、上海総合指数は6月29日始値の2973ポイントから7月3日終値の3152ポイントと79ポイント上昇。
現物株の投資部門別取引状況は、外国人投資家は1,086億円の4週連続の売り越し。
一方、個人投資家は785億円の4週連続の買い越し。GPIF(年金積立金管理運用) など年金基金の動きを表すと言われる信託銀行は2,732億円の4週連続の買い越し。
また現物株と先物合計の売買状況は、外国人投資家が685億円の4週連続の売り越した。
6月29日の週は、新型コロナウイルスの感染第2波への懸念が高まりや、香港情勢を巡る米中対立への警戒感も重荷になり、投資家心理が悪化し、相場は下落した。
外国人投資家は4週連続売り越しになった。一方、信託銀行からと見られる配当の再投資の買いが入った。来週以降も外国人投資家動向を中心に資金の動きをウオッチする。
なお、下表グラフは現物株の売買状況を表し、横軸が各週を示し、7月第1週目が6月29日の週の売買状況を表す。グラフの見方は、上向きバーが買いをした投資主体、下向きバーが売りをした投資主体で、青色が個人投資家、赤色が証券会社、ピンク色が外国人投資家。