定点観測している東証発表の投資部門別取引状況について、2020年5月25日の週のデータを確認する。
同期間の日本の株価指標に加え、米国・中国の株価指標もウオッチ。
統計データは毎週第4営業日の午後3時に日本取引所HPで更新され、市場への影響が大きい投資家グループの動向を理解し、投資活動に役立てたい。
5月25日の週は、日経平均株価が5月25日始値の20,653円から5月29日終値の21,877円と1224円上昇し、TOPIXも5月25日始値の1495ポイントから5月29日終値の1563ポイントと68ポイント上昇。
また海外(米国・中国)の株価指標に目を向けると、NASDAQは5月26日始値の9501ポイントから5月29日終値の9489ポイントと12ポイント下落し、上海総合指数は5月25日始値の2816ポイントから5月29日終値の2852ポイントと36ポイント上昇。
現物株の投資部門別取引状況は、外国人投資家は216億円の2週ぶりの売り越し。
一方、個人投資家は3,315億円の2週連続の売り越し。GPIF(年金積立金管理運用) など年金基金の動きを表すと言われる信託銀行は184億円の3週連続の売り越し。
また現物株と先物合計の売買状況は、外国人投資家が4,114億円の2週連続の買い越し、一方、個人投資家は3,307億円の2週連続の売り越し、信託銀行は97億円の2週連続の買い越し。
5月25日の週は、各国での経済再生期待から買いが膨らんだ。現物株と先物合計の売買で外国人投資家が2週連続で巨額に買い越し、今年前半の巨額な売り越しを買い戻す動きが加速した。来週以降も外国人投資家動向を中心に資金の動きをウオッチする。
なお、下表グラフは現物株の売買状況を表し、横軸が各週を示し、5月第4週目が5月25日の週の売買状況を表す。グラフの見方は、上向きバーが買いをした投資主体、下向きバーが売りをした投資主体で、青色が個人投資家、赤色が証券会社、ピンク色が外国人投資家。