定点観測している東証発表の投資部門別取引状況について、2020年5月11日の週のデータを確認する。同期間の日本の株価指標に加え、米国・中国の株価指標もウオッチ。
統計データは毎週第4営業日の午後3時に日本取引所HPで更新され、市場への影響が大きい投資家グループの動向を理解し、投資活動に役立てたい。
5月11日の週は、日経平均株価が5月11日始値の20,333円から5月15日終値の20,037円と193円下落し、TOPIXも5月11日始値の1468ポイントから5月15日終値の1453ポイントと15ポイント下落。
また海外(米国・中国)の株価指標に目を向けると、NASDAQは5月11日始値の9054ポイントから5月15日終値の9014ポイントと41ポイント下落し、上海総合指数は5月11日始値の2901ポイントから5月15日終値の2868ポイントと33ポイント下落。
現物株の投資部門別取引状況は、外国人投資家は1,296億円の5週連続の売り越し。
一方、個人投資家は1,882億円の4週連続の買い越し。GPIF(年金積立金管理運用) など年金基金の動きを表すと言われる信託銀行は428億円の11週ぶりの売り越し。
また現物株と先物合計の売買状況は、外国人投資家が3,896億円の14週連続の売り越した。
5月11日の週は、韓国やドイツなどで新規感染者数が増え、新型コロナウイルスの二次感染への警戒感が高まり、米中対立が再燃するとの懸念とパウエルFRB議長の発言が重荷となり、各国の株価指数は下落した。海外投資家が日本株にも売りを出した。
また来週以降も外国人投資家動向を中心に資金の動きをウオッチする。
なお、下表グラフは現物株の売買状況を表し、横軸が各週を示し、5月第2週目が5月11日の週の売買状況を表す。グラフの見方は、上向きバーが買いをした投資主体、下向きバーが売りをした投資主体で、青色が個人投資家、赤色が証券会社、ピンク色が外国人投資家。