定点観測している東証発表の投資部門別取引状況について、2020年3月23日の週のデータを確認する。同期間の日本の株価指標に加え、米国・中国の株価指標もウオッチ。
統計データは毎週第4営業日の午後3時に日本取引所HPで更新され、市場への影響が大きい投資家グループの動向を理解し、投資活動に役立てたい。
3月23日の週は、日経平均株価が3月23日始値の16,570円から3月27日終値の19,389円と2817円大幅上昇し、TOPIXも3月23日始値の1278ポイントから3月27日終値の1459ポイントと181ポイント上昇。
また海外(米国・中国)の株価指標に目を向けると、NASDAQは3月23日始値の6847ポイントから3月27日終値の7502ポイントと655ポイント上昇し、上海総合指数は3月23日始値の2677ポイントから3月27日終値の2772ポイントと95ポイント上昇。
現物株の投資部門別取引状況は、外国人投資家は9,517億円の8週連続の売り越し、一方、個人投資家は1,232億円の7週ぶりの売り越し。またGPIF(年金積立金管理運用) など年金基金の動きを表すと言われる信託銀行は4,450億円の4週連続かつ2016年2月第3週以来の高水準の買い越し。
また現物株と先物合計の売買状況は、外国人投資家が6,269億円の7週連続の売り越し、個人投資家は売り越し、信託銀行は2週連続の買い越し。
3月23日の週は、各国の政策対応や日銀のETF購入額増、年金の買い観測などをきっかけに、海外ヘッジファンドなどが先物を買い戻す動きにつながった。
また日銀による株価指数連動型上場投資信託の買い入れで、海外投資家や個人投資家の売りを日銀や年金の買いが受け止めた形になった模様。
来週以降も新型肺炎コロナウイルスの影響を、株式市場の外国人投資家動向を中心にウオッチする。
なお、下表グラフは現物株の売買状況を表し、横軸が各週を示し、 3月第4週目が3月23日の週の売買状況を表す。グラフの見方は、上向きバーが買いをした投資主体、下向きバーが売りをした投資主体で、青色が個人投資家、赤色が証券会社、ピンク色が外国人投資家。