定点観測している東証発表の投資部門別取引状況について、2020年3月2日の週のデータを確認する。同期間の日本の株価指標に加え、米国・中国の株価指標もウオッチ。
統計データは毎週第4営業日の午後3時に日本取引所HPで更新され、市場への影響が大きい投資家グループの動向を理解し、投資活動に役立てたい。
3月2日の週は、日経平均株価が3月2日始値の20,849円から3月6日終値の20,749円と100円下落し、TOPIXも3月2日始値の1488ポイントから3月6日終値の1471ポイントと17ポイント下落。
また海外(米国・中国)の株価指標に目を向けると、NASDAQは3月2日始値の8667ポイントから3月6日終値の8575ポイントと92ポイント下落し、上海総合指数は3月2日始値の2899ポイントから3月6日終値の3034ポイントと135ポイント上昇。
現物株の投資部門別取引状況は、外国人投資家は1,535億円の5週連続の売り越し、一方、個人投資家は5,554億円の4週連続の買い越し。またGPIF(年金積立金管理運用) など年金基金の動きを表すと言われる信託銀行は236億円の13週ぶりの買い越し。
また現物株と先物合計の売買状況は、外国人投資家が1兆1256億円の4週連続の売り越し、個人投資家は4,958億円の買い越し、信託銀行は783億円の買い越し。
3月2日の週は、新型コロナウイルスの感染拡大への懸念し、外国人投資家は前週に続き大きく売り越し一方、株価大幅下落を受けて、逆張り志向の個人が押し目買いし、信託銀行も株式組入比率維持の機械的な買いを入れた模様。
来週以降も新型肺炎コロナウイルスの影響を、株式市場の外国人投資家動向と共にウオッチする。
なお、下表グラフは現物株の売買状況を表し、横軸が各週を示し、 3月第1週目が3月2日の週の売買状況を表す。グラフの見方は、上向きバーが買いをした投資主体、下向きバーが売りをした投資主体で、青色が個人投資家、赤色が証券会社、ピンク色が外国人投資家。