定点観測している東証発表の投資部門別取引状況について、8月12日の週のデータを確認する。同期間の日本の株価指標に加え、米国・中国の株価指標もウオッチ。
統計データは毎週第4営業日の午後3時に日本取引所HPで更新され、市場への影響が大きい投資家グループの動向を理解し、投資活動に役立てたい。
8月12日の週は、日経平均株価が8月13日始値の20,432円から8月16日終値の20,418円と14円下落し、TOPIXも8月13日始値の1489ポイントから8月16日終値の1485ポイントと4ポイント下落。
また海外(米国・中国)の株価指標に目を向けると、NASDAQは8月12日始値の7907ポイントから8月16日終値の7895ポイントと12ポイント下落し、上海総合指数は8月12日始値の2781ポイントから8月16日終値の2823ポイントと42ポイント上昇。
現物株の投資部門別取引状況は、外国人投資家は3,035億円の3週連続の売り越し、一方、個人投資家は842億円の3週連続の買い越し。またGPIF(年金積立金管理運用) など年金基金の動きを表すと言われる信託銀行は365億円の2週ぶりの買い越し。
また現物株と先物合計の売買状況は、 外国人投資家が4,383億円の3週連続の売り越し、 個人投資家は1,034億円の3週連続の買い越し、信託銀行は741億円の3週ぶりの売り越しだった。
8月12日の週は、米国の債券市場で10年債利回りが2年債を下回る逆イールドが発生。米景気の減速懸念が浮上し、リスク回避ムードが強まった。海外勢の売りが株安を引き起こしたが、企業の自社株買いや日銀のETF買いが相場を下支えした。株安は行き過ぎとみる国内投資家の投資姿勢が反映された。
次週以降の株式市場、外国人投資家の動向をウオッチする。
なお、下表グラフは現物株の売買状況を表し、横軸が各週を示し、 8月第2週目が8月12日の週の売買状況を表す。グラフの見方は、上向きバーが買いをした投資主体、下向きバーが売りをした投資主体で、青色が個人投資家、赤色が証券会社、ピンク色が外国人投資家。