定点観測している東証発表の投資部門別取引状況について、5月20日の週のデータを確認する。同期間の日本の株価指標に加え、米国・中国の株価指標もウオッチ。
統計データは毎週第4営業日の午後3時に日本取引所HPで更新され、市場への影響が大きい投資家グループの動向を理解し、投資活動に役立てたい。
5月20日の週は、日経平均株価が5月20日始値の21,305円から5月24日終値の21,117円と188円下落し、TOPIXも5月20日始値の1556ポイントから5月24日終値の1541ポイントと13ポイント上昇。
また海外(米国・中国)の株価指標に目を向けると、NADAQは5月20日始値の7714ポイントから5月24日終値の7637ポイントと77ポイント下落し、上海総合指数は5月20日始値の2874ポイントから5月24日終値の2853ポイントと21ポイント下落。
現物株の投資部門別取引状況は、外国人投資家は799億円の3週連続の売り越し、一方、個人投資家は585億円の2週ぶりの買い越し。またGPIF(年金積立金管理運用) など年金基金の動きを表すと言われる信託銀行は424億円の2週ぶりの売り越し。
また現物株と先物合計の売買状況は、 外国人投資家が4,892億円の3週連続の売り越し、 個人投資家は527億円の2週ぶりの買い越し、信託銀行は491億円の2週ぶりの売り越しだった。
5月20日の週は、中国の通信機器最大手ファーウェイへの米国の制裁措置を受け、米中貿易摩擦激化を懸念した売りにより、海外投資家が3週連続で売り越した。
一方、企業の自社株買いや逆張り志向の個人投資家による押し目買いで、現物株および現物株と先物合計で買い越しに転じた。
次週以降も米中貿易戦争がどう市場に影響するのか、相場動向をウオッチしていく。
なお、下表グラフは現物株の売買状況を表し、横軸が各週を示し、 5月第3週目が5月20日の週の売買状況を表す。グラフの見方は、上向きバーが買いをした投資主体、下向きバーが売りをした投資主体で、青色が個人投資家、赤色が証券会社、ピンク色が外国人投資家。