2つの企業への投資機会を比較検討するMotley Foolの記事、"Better Buy: American Express Company vs. Mastercard"を紹介する。
この記事によると、主に決済処理を手掛けるMastecard 、主にクレジットカード発行者のAmerican Expressの2社への投資検討した結果、17年11月時点では、バリエーションと長期での成長ポテンシャル、リスク・リターンから見てAmerican Expressを推奨。
(Mastercard (NYSE:MA)、American Express (NYSE:AXP). )
1. 支払い処理とクレジットカード発行の戦い
支払い処理を主なビジネスとしており、自らはクレジットカードを発行しないが、中間的存在として、
消費者や企業や銀行の間に立ち、サービスを提供する。
例えば、消費者がカードで支払いを行い、銀行がそのお金を企業に支払いをする。このような取引を
Mastecardの支払いネットワークが仲介する。彼らの収入源は、この支払い手数料である。
American Expressは、内部に閉じた支払いネットワークを持つ。別の言い方をすると、中間的存在と
銀行の両方をかねていて、American Expressは貸し手になり、企業に送金し、消費者に請求する。
これによりカードの手数料収入だけでなく、未払の負債に対する利息、更にカード年会費から収入を得られる。
2. 成長性と今後のポテンシャル
Mastecardは、直近の四半期決算で売上成長が18%、1株利益成長が24%と力強い成長を記録した。
更に ポテンシャルとして、海外ビジネス、新しい技術を用いた決済があり、投資を重点的に行っている。
一方American Expressは、利益の出ていなかったコストコとのpartnershipを解消し、Mastecard ほど
ではないが、売上成長が9%、1株利益成長が25%だった。
ただMastecardが海外市場への進出をあげており、長期の成長ポテンシャルがある。MastecardとVISAは
国際的に知られたブランドだが、American Expressは知名度が低く、カードの普及度は4倍以上の差がある。
3. バリエーション
Mastecardは成長の優位性があるが、その分株価にプレミアムがついており、
PERでMastecardが35倍に対し、American Expressは18倍。
4. どちらに投資するべきか
どちらの会社も非常に強固な支払い分野の巨大企業で、長期的にどちらの株式も悪化すること
はないだろうし、グローバルで電子取引がすべての取引の10%以上を占めており、成長の機会が
なくなることはない。
その上で、筆者は、バリエーションと長期での成長ポテンシャル、リスク・リターンからみて
American Expressを推奨している。American Expressは、内部に閉じた支払いネットワークを持っており、
利益と利息の向上をできるポジションにいて、フィンテックへの投資を強力に推し進めている所も優位である。